東京漢方教育研究センター 2016年度 講座案内
当センターは、1993年(平成5年)に結成され、翌年春より漢方講座を開始、2016年度は23年目に入ります。引き続き、①漢方を学ぶ基礎の充実を目指した康治本傷寒論の解説及び漢方の初歩、生薬の解説、②応用面としての処方解説や、特別講座、症例報告等を充実すると共に、医療関連の講座を開催します(カリキュラムを参照)。概要は以下の通りです。
Ⅰ.漢方を学ぶ基礎講座
1 中川智代先生による漢方の古典「康治本傷寒論の解説」は、前年度の継続で7回シリーズの解説で、漢方の基本を学びます。
2 漢方の初歩では、漢方の基礎は3年一区切りで学ぶための講座となっており、本年度は3年目となります。漢方の歴史は、生田安喜良先生の「平安・室町時代」、「江戸時代」、白根加代子先生の「江戸末期・明治時代」があり、基礎として、惠木弘先生の「痛みと漢方(腹痛)」、湯田康勝先生の「肺の病と方剤」、「肝の病と方剤」、石原タツ先生の「脾胃の病と方剤」、松浦裕子先生の「腎の病と方剤」、生田安喜良先生の「心の病と方剤」、篠原宣先生の「五臓の生理」と中川智代先生の「問診」があります。
3 生薬の解説では、処方解説にでてくる生薬を中心に12種「黄柏、青蒿、麦門冬、胡麻、藿香、厚朴、木通、鬱金、杜仲、続断、釣藤鈎、白蒺藜」について学びます。佐橋佳郎先生による「生薬新情報」が補完します。
Ⅱ.漢方の応用を学ぶ講座
1 漢方の処方解説は、生薬の解説と連携させた8回で、「清暑益気湯」「麦門冬湯」「藿香正気散」「通導散」「竜胆瀉肝湯」「大防風湯」「柴葛解肌湯」「釣藤散」からなります。
2 漢方の臨床では、漢方治療という観点で、長坂和彦先生の「胃炎・胃潰瘍」、木村勇先生の「ドライマウス・ドライノーズ・ドライアイ」、千田五月先生の「下痢」、鉄村努先生の「頻尿・尿失禁」、の4回、及び、3回の「症例報告と解説」からなります。
3 その他、クリシュナU.K.先生による伝統医学「アーユルベーダ医学の特徴」、辻内琢也先生の「災害トラウマと構造的暴力」があります。
Ⅲ.第23回日本漢方交流会一般公開特別講座「初学者のための漢方運用講座」(9月11日(日)
日本漢方交流会と共催。太田順康先生の漢方基礎理論「舌診と腹診」、「息切れ・呼吸困難に対する漢方処方の店頭応用」及び高橋宏和先生の漢方方剤学「人参剤と類方」です。
Ⅳ.2月の特別講座は大野修嗣先生の「自己免疫疾患と漢方」です。(2017年2月19日)
<大野修嗣先生の紹介>資格:医師、薬剤師、医学博士、漢方専門医・指導医、認定内科医、
リウマチ専門医、アレルギー専門医 職歴:1993年 埼玉医科大学第2内科講師、1996年 大野クリニック 院長 漢方歴:1987年 埼玉医科大学東洋外来、1990年~1991年 中華人民共和国 山西省人民医院中医科、2001年6月~2005年5月 日本東洋医学会副会長、2005年6月~国際東洋医学会理事、2015年5月~日本東洋医学会監事 著書:狭心症・心筋梗塞の中医学的治療(朝日出版)、膠原病・免疫疾患‐漢方治療マニュアル(現代出版プランニング)、漢方学舎・白熱教室 入門篇(源草社)他に共著多数。